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グルタミンの効果と疲労回復のメカニズム
運動による全身やお腹のダメージを抑え、疲労回復をサポートするグルタミンの働きを解説。抗酸化作用をもつシスチンとの組み合わせ(シスチン・グルタミンミックス)による相乗効果や、研究データをもとにした体調維持のポイントを紹介します。
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運動後に感じるカラダのだるさや疲れの原因
運動で疲れる、運動後にだるさを感じる原因は筋肉だけではない。運動による体温上昇や、お腹への血流低下が内臓にもダメージを与えている。高温・多湿環境での注意点や、炎症悪化によるパフォーマンス低下についても紹介。
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シスチンの効果で運動による疲労軽減しエネルギー効率を維持する
アミノ酸「シスチン」が、ミトコンドリアを守ってエネルギー産生を高める仕組みを解説。脂質を効率的にエネルギーへ変える働きや、運動時の酸化ストレス軽減、疲労回復・持久力向上への効果について紹介。
[論文紹介]若年男性における運動誘発性の消化管透過性および傷害マーカーの変化に対するシスチンおよびグルタミン摂取の影響
目的:長時間の高強度の運動は、消化管機能低下の指標である透過性および傷害マーカーを増加させることが報告されているが、運動によって起こる消化管の不具合に対する栄養補助食品の介入効果については、ほとんど報告されていない。本研究では、運動によって起こる消化管の透過性および傷害マーカーの変化に対するシスチン・グルタミン摂取の影響について検討した。
方法:活動的な男性16名、22.7±2.6歳(平均±標準偏差)に、無作為下にてプラセボまたはシスチン・グルタミンを摂取させた。被験者は、プラセボまたはシスチン・グルタミン1.23g(シスチン0.23g・グルタミン1.00g)を1日3回、5日間摂取し、施行間には2週間のウォッシュアウト期間を設けた。被験者は、6日目の運動30分前に試験食品を摂取し、最大酸素摂取量の75%の強度で1時間の走運動を実施し、その後4時間の休息を行った。また、6日目の運動前、運動直後、運動30分後、運動1、2および4時間後に血液を採取した。消化管透過性の指標として、血漿中ラクチュロース:マンニトール比(L:M)および消化管傷害マーカーとして血漿中腸管脂肪酸結合蛋白(I-FABP)濃度を評価した。
結果 血漿中L:M比(線形混合モデル、係数±標準誤差:-0.011±0.004、P = 0.0090)および、運動前に対する血漿I-FABP濃度の変化(線形混合モデル、係数±標準誤差(pg/ml):-195.3±65.7、P = 0.0035)が、シスチン・グルタミン摂取において、プラセボ摂取に比べ低値であった。
結論:シスチン・グルタミンの摂取は、若年男性における1時間の高強度走運動後の消化管の透過性および傷害マーカーの上昇を軽減した。
運動後の消化管透過性の推移![[論文紹介]若年男性における運動誘発性の消化管透過性および傷害マーカーの変化に対するシスチンおよびグルタミン摂取の影響](https://sports-science.ajinomoto.co.jp/wp-content/uploads/2022/02/ppr_09_02_.jpg)
運動による消化管傷害マーカーの変化
原著:https://link.springer.com/article/10.1007/s00394-022-02806-1/




