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カラダの中にある脂質をエネルギー源としてもっと活用し、持久力をアップしよう!
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糖質のエネルギー利用をサポートし、持久力を維持!『アラニン・プロリン配合糖質ミックス』
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脂質をエネルギー源として利用し、疲労を軽減!持久系のパフォーマンスを支える『シスチン』
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[特別対談]マラソン後編:適切なコンディショニングがピークを高める
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バランスのよい食事と補食のキホン(パートⅠ:栄養バランス、消化吸収、エネルギー)
1.バランスの良い食事と栄養
バランスの良い食事といってもピンとこない方も多いのではないでしょうか。「バランスが良い食事」とは、必要な栄養素を必要な分だけ摂ることができる食事、と考えられます。
バランスの良い食事の基本形として、定食型というものがあります。これは、主食、主菜、副菜、汁物、牛乳・乳製品、果物が揃っているものです。それぞれ異なる役割があるので、しっかり揃えることを目指しましょう!
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[主食] 体を動かすエネルギーの摂取源
[主菜] カラダを作る材料となるたんぱく質の摂取源
[副菜] 体調を整えるビタミンやミネラル、食物繊維の摂取源
[汁物(副菜の一つと考える)]
体調を整えるビタミンやミネラル、食物繊維の摂取源
食欲のスイッチを入れる効果がある
[牛乳・乳製品]丈夫な骨や筋を作るためのたんぱく質、カルシウムの摂取源
[果物] 鉄の吸収を助ける、ストレスに対抗するための糖質、ビタミンC、水分の摂取源
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- [主食]
- カラダを動かすエネルギーの摂取源
- [主菜]
- カラダを作る材料となるたんぱく質の摂取源
- [副菜]
- 体調を整えるビタミンやミネラル、食物繊維の摂取源
- [汁物(副菜の一つと考える)]
- 体調を整えるビタミンやミネラル、食物繊維の摂取源
- 食欲のスイッチを入れる
- [牛乳・乳製品]
- 丈夫な骨や筋肉を作るためのたんぱく質、カルシウムの摂取源
- [果物]
- 鉄の吸収を助ける、ストレスに対抗するための糖質、ビタミンC、水分の摂取源
ただし、毎食バランス良く準備することが難しく大変なこともあります。そのため、1食でなく、1日の食事バランスとして考えることも良いでしょう。1日の中で、主食、主菜、副菜、汁物、牛乳・乳製品、果物を揃えることでバランスの良い食事に近づけることができます。また、3食で摂りきれない場合には、補食を加えると、不足しがちなエネルギーや栄養素を補うこともできます。
必要なエネルギー量や栄養素の量は、運動習慣の有無、運動する量や質によって大きく異なります。例えば、週4~5日の部活動を行う学生やスポーツ選手などは、一般の人に比べ、とても多くのエネルギー量、栄養素の量が必要となります。
1日に摂るべきたんぱく質の量は、一般の方では1日に体重1kgあたりおおよそ1.0gですが、スポーツ選手では1日に体重1kgあたり1.2~2.0g(体重70kgの場合、1日あたり84~140g)が奨められています。そのため、スポーツ選手は3食で摂りきれないたんぱく質を補うために、補食を活用して、効率良くたんぱく質を摂取する必要があります。
以上のように、定食型を基本とした3食と補食を組み合わせることで、1日の中でバランスの良い食事・栄養を摂ることができます。
2.栄養素の消化吸収について
私たちのカラダは、炭水化物、脂質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素によって構成されています。これらの栄養素は、口から取り入れ、消化管で消化・吸収され、体内で利用されます。
- ●糖質は、主に活動するためのエネルギー源として利用されます。
- ●脂質は、エネルギー源として利用される以外に、体脂肪としてカラダを守ったり、細胞の構成要素、ホルモンの原料にもなります。
- ●たんぱく質は、カラダを作る主な栄養素として、筋肉、皮膚、髪の毛、ホルモン、酵素などの元になります。
- ●ビタミンは、エネルギー代謝を助けたり、骨形成、免疫機能に関わります。
- ●ミネラルは、歯や骨などカラダを構成する役割や、体液や生体の機能を調整するなどの働きがあります。
これらの栄養素はいずれも生きていくために欠かせないものであり、もちろん、スポーツや運動に取り組む皆さんにも必須となります。
糖質、脂質、たんぱく質は、口、胃、小腸などで分泌される消化酵素により分解され、主に小腸で吸収されます。
摂取した食品や組み合わせにもよりますが消化から吸収までに掛かる時間は、おおよそ3~4時間にもなります。運動開始の3~4時間前に食事を済ませておきましょう!と言われるのは、消化吸収の時間を考慮してのものです。
また、運動直前や運動中などの補給には、胃腸への負担を考慮して、消化を必要としない飲料やゼリー食品などが良いでしょう。
以上から、スポーツを行う人は、「食べるもの」だけでなく食べた後の「消化吸収」までを意識する必要があります。バランスよく食べることだけを考えても、食品に含まれる栄養素が、体内に入り、利用されなければ意味がありません。より良いパフォーマンス発揮のためにも、「食べ方」を見直すことも必要です。
3.エネルギー源としての栄養素
運動を活発に行うためには十分なエネルギーが必要です。では、そのエネルギーはどこから生まれるのでしょうか?
活動に利用するためのエネルギーは、皆さんが食事や補食から摂る、糖質、脂質、たんぱく質が、カラダの中で変換されて生まれるのです。
運動時のエネルギー源として、特に重要となるのは糖質と脂質です。カラダの中にある糖質と脂質を効率良くエネルギーに変換することができれば、より良いパフォーマンスを発揮できるということです。
糖質は、運動時の主なエネルギー源として使われます。しかし、カラダの中に蓄えられる糖質の量は非常に少なく、長時間運動を行うと枯渇してしまう可能性があります。
一方、脂質は体脂肪としてカラダに沢山貯めることができます。脂質をしっかりと利用することができれば、エネルギー切れを起こさず、長くパフォーマンスが発揮できるのです。
例えば、マラソンのような持久系運動では、糖質と脂質をエネルギー源として利用しています。レース中盤は、脂質を多く利用していますが、ラストスパートのときには、主に糖質を利用しているので、糖質の枯渇はパフォーマンスの低下に繋がります。
糖質が多く含まれる食材は、ごはん、パン、麺類などの主食となるものです。脂質が多く含まれる食材は、主菜となる牛肉や豚肉、魚、乳製品、調理や調味に使用する油などです。運動のための必要なエネルギーを摂取するために、糖質と脂質をバランスよく摂取することが必要になります。
〈監修者〉佐々木 将太(ささき しょうた)
北海道文教大学 人間科学部 健康栄養学科 講師。
京都府立大学大学院生命科学研究科応用生命科学専攻博士後期課程単位取得退学 (2011) 、博士 (学術) 、帯広大谷短期大学助教を経て、2019年より現職。公認スポーツ栄養士、管理栄養士。月刊スキーグラフィック「スキーヤーのための栄養学」監修。
これまでにスピードスケート、アイスホッケーに取り組むジュニアおよび女子アスリートを中心に栄養サポートを実施。現在は、管理栄養士を目指す学生と高校野球および陸上競技選手に栄養サポートを実施中。展開の途上ではあるが、寒冷環境で行うスポーツに特化した栄養摂取方法を模索した研究にも取り組む。スポーツ栄養分野の研究と現場の架け橋を目指す。