シスチンの効果で運動による疲労軽減しエネルギー効率を維持する

パフォーマンスとエネルギー利用の関係!『シスチン』は脂質をエネルギー源として活用し、疲れを軽くしてくれる

運動時は、カラダの脂肪・脂質をエネルギーに変換して使うことで、より多くのエネルギーを作り出すことができます。糖質、たんぱく質、脂質をエネルギーに変換してくれるのが、ミトコンドリア。その機能を高めることができれば、持久系パフォーマンスが向上する可能性があります。

そのために役立つのが、アミノ酸の『シスチン』。運動によって起こるトラブルを防ぎ、ミトコンドリアの働きをサポートして、運動による疲れを減らす手助けをしてくれます。カラダの中のエネルギーを、もっと作り出してくれる『シスチン』の役割についてご説明しましょう。

エネルギーを生み出す仕組みとミトコンドリアの働き

毎日食べている食事。その中には、いろいろな栄養素が入っています。糖質、脂質、そして、たんぱく質(アミノ酸)。これらの栄養素は、毎日カラダが必要とするエネルギーを作り出すために使われます(図1)。

栄養素がエネルギー源として使われますが、そのまま使われるのではなく、ATP(アデノシン三リン酸)と呼ばれる物質に作りかえる必要があります。

図1
ミトコンドリアで糖質、脂質、たんぱく質がエネルギー源として使われる

ミトコンドリアがエネルギー産生を担う

栄養素からATPを作り出す工場として働くのが、カラダの細胞の中にある「ミトコンドリア」です。つまり、ミトコンドリアの働きにより、作られるエネルギーの量が変わるのです。

運動するときのエネルギー源は主に糖質と脂質であり、特に持久系スポーツでは、多くのエネルギーを消費することになります。この2つのエネルギー源を有効に使うことがパフォーマンスアップに重要です。運動中には、脂質を分解してできる脂肪酸をエネルギー源としてより多く使うことで、カラダの中にあるグリコーゲン(蓄えておける糖質)を節約しておくことに役立ちます。

つまり、使えるエネルギー源が増えることで、持久力をアップすることに役立つ可能性があるということです。そのため、ATPを作り出すミトコンドリアの働きを高めることが、理想とするパフォーマンスを発揮することにつながります。

運動ストレスによるエネルギー産生の低下

ATPを作り出す工場、ミトコンドリア。継続的に運動するとその量が増えたり、働きを高めたりすることができます。筋肉の細胞の中にあるミトコンドリアの働きが高まると、ATPを作り出す量がアップします。つまり、ミトコンドリアの働きが高まると、持久力アップにつながるということです(図2)。

図2
運動による酸化ストレスがミトコンドリアの働きを低下させる

しかし、このミトコンドリアには、天敵がいます。それは、運動による「ストレス」。ミトコンドリアにストレスがかかってしまうと、その働きが低下してしまいます。すると、ミトコンドリアで作り出されるATPの量が減ってしまいます。こんなトラブルをできるだけ避けるのに頼りになるのが、アミノ酸の『シスチン』です。

シスチンの抗酸化作用とミトコンドリア保護

『シスチン』は、カラダを作っている20種のアミノ酸の一つである「システイン」が2つくっついたもの。食べ物では、鶏肉などに多く含まれているアミノ酸で、さまざまなストレスから守ってくれる働きがあります(図3)。

図3
シスチンは様々なストレスから体を守る働きを持つ

グルタチオンを生成して細胞を守る

『シスチン』は、カラダをストレスから守ってくれるグルタチオンという物質を作ります。このグルタチオンによって、ミトコンドリアの働きが守られることで、脂質がエネルギー源として使われ、運動中の疲れが和らいだというデータがあります。

シスチンによって酸化ストレスを抑えてエネルギー効率を維持する

そこで、筋肉で作り出すエネルギーに対して、『シスチン』がどのような効果があるか調べました。図のように、『シスチン』は、酸化ストレスによるグルタチオンの減少を抑えることが分りました。また、作り出すエネルギーの量が増えることも分りました。

シスチンが運動中の脂肪酸の利用を高める

次に、健康な一般男性において、シスチンが運動中の脂肪酸の利用にどのような効果があるか調べました(図4)。『シスチン』を摂っているグループでは、『シスチン』を摂っていないグループと比べ、運動後に血液中の脂肪酸が低い値を示しました。

これは、『シスチン』が脂肪酸の利用を高めたことにより、より多くの脂肪酸が使われた結果であると考えられました。つまり、『シスチン』は、運動中に脂肪酸の利用を高める効果があることが考えられました。

図4
シスチンを摂取することで運動後の血液中の脂肪酸濃度が低下する

シスチンが運動中の疲労感を軽減させる

『シスチン』が脂肪酸をより多く使うことで、運動中の疲労感にどのような変化があるかを調べました。

健康な一般の男性が、約1時間の運動している間に、「どれだけその運動がきついか」という質問を行いました。

図5
シスチンを摂取すると運動中の疲れが軽くなる

図5のように、運動を始めてから直ぐに、運動がきついと感じ、運動時間が延びると疲労感の値が大きくなっていきます。しかし、『シスチン』を摂っているグループでは、『シスチン』を摂っていないグループと比べ、運動から25分が経過した時点で、疲労感が軽くなっていることがわかりました。

つまり、『シスチン』を摂っておくと、運動している時の疲労感が軽くなり、パフォーマンスを保つ可能性が考えられました。

シスチンがミトコンドリアの働きを守り、エネルギー産生を支える

どんな運動をするときでも、理想とするパフォーマンスを発揮するのに欠かせないのがエネルギー。食事から摂る栄養素をエネルギー源として使うため、細胞の中のミトコンドリアがATPを作ります。ところが、その働きを弱めてしまうのが、運動するとカラダにかかるストレス。このストレスをアミノ酸の『シスチン』が抑え、ミトコンドリアの働きを高め、利用できるエネルギー源を増やしてくれることで、運動中の疲労感が軽くなるのです。

トレーニングと組み合わせて持久力を高める

持久力を高めることは、スポーツする人にとって重要な課題の一つ。十分なパフォーマンスを発揮したいスポーツシーンにおいて、トレーニングに加え、『シスチン』によるエネルギーの活用が役立ちます!

▼このアミノ酸に関連する課題はこちら
カラダの中にある脂質をエネルギー源としてもっと活用し、持久力をアップしよう!

関連記事関連記事