スポーツ時の筋肉痛軽減やパフォーマンスに重要なアミノ酸!正しい理解と活用法!
スポーツ時の筋肉痛の軽減やコンディショニングなどのサポートが期待される話題の分岐鎖アミノ酸(BCAA)や、必須アミノ酸(EAA)。
プロテイン(たんぱく質)の素でもある、これらのアミノ酸についてしっかり学び、大会や本番に向けた日々の練習、筋トレにもアミノ酸の活用を考えてみましょう。
アミノ酸とはたんぱく質の原料です。たんぱく質は、筋肉、皮膚、髪の毛、爪、骨や内臓だけでなく、血液やホルモンなど私たちのカラダをつくっています。 そしてこれらはたった20種類のアミノ酸が数千から数万個連なってできているのです。

この20種類のアミノ酸は、次の2つに分類ができます。
カラダの中で作ることができず食事から摂る必要がある「必須アミノ酸」とカラダの中で作ることができる「非必須アミノ酸」です。
「必須アミノ酸」には、BCAAとして知られている3つの分岐鎖アミノ酸(イソロイシン、ロイシン、バリン)が含まれています。


カラダのたんぱく質は毎日入れ替わっているため、日々の食事からしっかりと摂ることが大切になります。

スポーツ選手に奨められているたんぱく質の摂取量は、1日に体重1kgあたり1.2~2.0g。体重70kgの場合、1日あたり84~140gです。
これは一般的な成人のたんぱく質の推奨量と比べると、1.3~2.0倍。スポーツする人は筋肉を十分に保つため、毎日の食事からたんぱく質を多めに摂ることがとても大切です。

肉や魚といった食事から摂取するたんぱく質は、そのままでは吸収できません。アミノ酸まで分解して吸収されるまで、一般的に3〜4時間かかります。
一方、アミノ酸は消化される必要がないので、吸収する時間は約30分程度。
たんぱく質と比べ、必要なときに摂ることですぐに利用できるという特徴があります。


さらにアミノ酸は、必要なアミノ酸を、必要な分だけ、自分のタイミングで摂取できることもメリットです。
例えばBCAA1gを摂りたい場合、ハンバーグなら約1/4個が必要で、摂取エネルギーは約90kcal。
それがアミノ酸なら直接BCAA 1gのみを摂る事ができ、 摂取エネルギーは4kcalで済むことになります。
アミノ酸は必要な分を必要な分だけ摂取できる

運動をしている人に必要なアミノ酸は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれるバリン、ロイシン、イソロイシンがあります。食べ物では、まぐろ、かつお、鶏肉、牛肉、卵、牛乳などに多く含まれています。
BCAAは筋肉に含まれる必須アミノ酸の約4割。運動中のエネルギー源としても利用され、筋肉に対して作用するという報告が多くあります。
BCAAを摂取することで、運動後の筋肉のたんぱく質を作る量を増やし、運動による筋肉のダメージを抑えることも可能になります。 加えて、運動の翌日以降の筋肉痛を軽減することも分っています。

BCAAの中でも、特に「ロイシン」は他の必須アミノ酸と筋肉のたんぱく質を作る材料になるだけでなく筋肉のたんぱく質を作るスイッチを入れる役割を持っています。
他にも、様々な機能を持つアミノ酸がありますので、この機会に学んでみましょう。
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グルタミン
20種類のアミノ酸の中で、一番多いのがグルタミンです。運動などカラダに負担が掛かる時に、グルタミンが多く失われます。食べ物では、大豆、小麦、魚、肉、卵などに多く含まれています。
グルタミンには免疫力を高めたり、胃や腸などの粘膜を守る働きもあることが知られています。 -
シスチン
20種類のアミノ酸の1つであるシステインが2つ結合したアミノ酸。食べ物では、鶏肉などの肉類に多く含まれています。
さまざまなストレスからカラダを守ってくれる働きがあることが知られています。
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アラニン
カラダの中で糖に変わることができ、エネルギーとして利用されるアミノ酸の一つ。食べ物では、魚や肉などに加え、はまぐりやしじみなどの貝類に多く含まれています。
肝臓で糖質からグリコーゲンを作る働きを高めること、エネルギー源として利用されやすいことなどが知られています。 -
プロリン
アラニンと同じように、カラダの中で糖に変わることができ、エネルギーとして利用されるアミノ酸の一つ。食べ物では、大豆、小麦、肉、魚などに多く含まれています。
まとめると、アミノ酸とはたんぱく質の原料で、たんぱく質はカラダの20%を占めています。そのたんぱく質は20種類のアミノ酸でできています。そして20種類のアミノ酸は『必須アミノ酸』『非必須アミノ酸』に分類されています。
体内のたんぱく質は入れ替わるため、毎日の食事で摂ることが大切。特にスポーツをする人は、食事からたんぱく質を多く摂ることがオススメです。
アミノ酸は消化の必要がないため、30分で吸収されます。この特徴により、必要なアミノ酸を、適量、適時に摂ることができるのです。