疲労骨折などのケガを防ぐ食事と栄養|ケガ予防に重要なたんぱく質・カルシウム・ビタミンD

ベストなコンディションにするための食事と栄養(パートⅠ)

より良いパフォーマンスを発揮するためにはカラダを良い状態に整えなければなりません。スポーツではよく『コンディション』や『コンディショニング』という言葉を使いますが、みなさんはその言葉の意味を考えてみたことはあるでしょうか?

 

『コンディション』は言葉の意味の通り、その時の「状態」を示す言葉です。コンディションは、トレーニング内容、食事・栄養、精神面などの影響を受け、日々変化しています。『コンディショニング』は、スポーツにおいて、より高いパフォーマンス発揮、より良い成績を目指して、カラダや精神を整えることを意味しています。つまり、「ベストパフォーマンス」はコンディショニングを行うことで得られると言っても過言ではないでしょう。

 

このコンテンツでは、様々なコンディショニングに対して、食事・栄養がどのように関わるかを学んでみましょう。そして、自分に必要なコンディショニングを考え、取り入れてみましょう。

ケガ・故障の予防に必要なコンディショニング

スポーツで発生するケガは、大きなストレス (力、負荷) などが加わることで発生するものと、日々の小さなストレスが同じ部位に加わり続けることで発生するもの (疲労骨折) があります。骨折を例に取ると、他の選手との接触で骨折する場合が前者、マラソンなどで日々の負荷が掛かることで起こる下肢などの骨折が後者です。同じ骨折でも、その原因が異なれば対応も異なることから、どのような原因で骨折が発生したのかを確認する必要があります。

スポーツにおける主な骨折の原因

疲労骨折を防ぐための食事・栄養

大きなストレスによる骨折は、自分自身が気をつけていたとしてもアクシデントによって受傷してしまう可能性があります。一方で、疲労骨折は、オーバートレーニングだけでなく、エネルギー不足、たんぱく質、カルシウム、ビタミンDなどの栄養素の不足が関連することが多いのも事実です。特に、無理な減量を行っている、つまり長い期間エネルギー摂取量が不足している女子選手の場合、疲労骨折の発生リスクが高いと考えられます。

疲労骨折が起こる原因

骨の健康を支える栄養素 – たんぱく質・カルシウム・ビタミンD

疲労骨折の予防には、まず、十分なエネルギー量を摂取すること、そして、骨を形成するたんぱく質、カルシウム、形成に関与するビタミンDをしっかりと日々の食事で摂取することが大切です。カルシウムは、日本人の不足しがちな栄養素の一つであるため、牛乳・乳製品を中心に摂取することを心掛けると良いでしょう。ビタミンDは、小腸でのカルシウムとリンの腸管吸収を促進させ、骨の形成を補助してくれる作用を持ちます。ビタミンDは紫外線 (日光) に当たると皮膚で生成されますが、生成を助ける上でも干しシイタケや青魚などを積極的に取り入れると良いでしょう。

骨を形成する栄養素

関節・腱を守るたんぱく質とアミノ酸

一方、関節や腱を健全に維持するためにもたんぱく質を十分に摂取することをおすすめします。関節や腱の軟骨組織はコラーゲンというたんぱく質でできているため、たんぱく質の元となるたんぱく質やアミノ酸の摂取が大切です。但し、関節や腱は、筋肉などに比べると供給される血流量が少なく、栄養が届きにくいことから、十分な休養も併せてとることが重要です。

関節や腱を良い状態に保つ 関節・腱コンディショニング向け6種アミノ酸ミックス

関節や腱は、筋肉が生み出す力を全身へ伝える重要な部位であり、理想的な動きを支えています。しかし、これらの組織は血流が少なく栄養が届きにくく、負荷の大きい運動では違和感や痛みにつながりやすくなります。

「関節・腱コンディショニング向け6種アミノ酸ミックス」は関節や腱の状態を整え、違和感の改善や動きやすさの向上をサポートすることが報告されています。関節・腱のコンディションを保つアミノ酸の活用について、詳しく紹介します。

関連記事「関節・腱をケアするアミノ酸とは」
関節や腱の軟骨組織(コラーゲン)はたんぱく質(アミノ酸)から作られる

ストレッチやマッサージと併用してケガを予防する

多くのスポーツにおいて、運動前後にストレッチやマッサージを行うことでケガ予防の対策を行います。これらと同じように、日々の食事や休養がケガの予防にとても重要となります。多くのケガは、しっかりと対策を講じることで予防することができます。

ケガ予防の対策方法

以上のことから、ケガ・故障を防ぎ、ベストパフォーマンスの発揮に向けて、食事や休養の面を含めたコンディショニングに取組みましょう。

※関節・腱のコンディショニングに関するヒントはこちら

〈監修者〉佐々木 将太(ささき しょうた)

佐々木将太(ささき しょうた)
北海道文教大学 人間科学部 健康栄養学科 講師。
京都府立大学大学院生命科学研究科応用生命科学専攻博士後期課程単位取得退学 (2011) 、博士 (学術) 、帯広大谷短期大学助教を経て、2019年より現職。公認スポーツ栄養士、管理栄養士。月刊スキーグラフィック「スキーヤーのための栄養学」監修。

これまでにスピードスケート、アイスホッケーに取り組むジュニアおよび女子アスリートを中心に栄養サポートを実施。現在は、管理栄養士を目指す学生と高校野球および陸上競技選手に栄養サポートを実施中。展開の途上ではあるが、寒冷環境で行うスポーツに特化した栄養摂取方法を模索した研究にも取り組む。スポーツ栄養分野の研究と現場の架け橋を目指す。

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