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間欠的持久力とは
速い動きや、思いっきり力を振り絞る動きなどを連続的に行うには、通常の持久力だけではなく、間欠的持久力という別の能力が必要。
【この記事の内容】
1.長く動くための連続的持久力とは異なる「間欠的持久力」とは?
2.間欠的運動の時には、エネルギーを爆発的に消費し、老廃物がたまる。
3.間欠的持久力を高めることで、連続したダッシュができる。
間欠的持久力とは – マラソンなどの連続的持久力との違い
サッカーやバスケットボールなどのゲーム形式のスポーツでは、選手は試合中にダッシュなどの高強度の運動を繰り返し、急ぐ必要がない場面では、歩いたり、ジョグをして、息を整えて、次のダッシュに備えている光景を見かけるかと思います。ゲーム形式のスポーツでは、ダッシュを何本も繰り返すことが出来れば、相手に競り勝ち有利な局面を作れることから、ダッシュを繰り返せる能力は、競技成績には重要な指標になります。
間欠的持久力と連続的持久力の違い
このように、繰り返し行われる高強度の運動と、その間の休息期間を組み合わせた運動の持久力を、間欠的持久力と言います。これは、マラソンなどのような長時間にわたり一定のペースで走り続ける能力、つまり連続的な持久力とは異なる能力が必要となるのです<図1>。

間欠的持久力に必要な能力 – 爆発的なエネルギーの供給と老廃物の処理
爆発的なエネルギーの消費 – クレアチンリン酸の消費
では、間欠的な持久力とはどのようなものでしょうか?間欠的持久力に求められるのは、爆発的にエネルギーを作り出す能力と、老廃物の処理能力の2つです。サッカーなどのゲーム競技中には、ダッシュをした後、筋肉が重くなり、ダッシュが出来なくなります。これは、爆発的なエネルギー源であるクレアチンリン酸が無くなってしまうことと、代謝老廃物がたまって、筋肉が動かなくなるからです<図2>。そのため、間欠的持久力を高めるためには、爆発的なエネルギーを生み出す能力を高めることと、代謝老廃物の除去能力があれば、続けてダッシュすることが出来るようになるのです。

老廃物の処理 – インターバルでクレアチンリン酸の再貯蔵
その一方で、一般的に、長時間動き続けるためには、エネルギー切れを起こさないことが重要です。そのために、運動前にグリコーゲンをしっかり蓄えたり、運動の途中でエネルギーを補給したり、脂肪から効果的にエネルギー作れる能力を鍛えることが重要です(関連記事①、関連記事②)。一方、ダッシュをした後、筋肉が重くなり、ダッシュが出来なくなっても、そのあとに、歩いたり、軽いジョグをすることで、筋肉は再び動くようになります。このインターバル中に、クレアチンリン酸を再貯蔵したり、たまった老廃物を除去することで、次のダッシュができるためです。このように、マラソンなどのように長期間長く動き続けるための持久力と、高強度の運動を繰り返し続けるための間欠的持久力は異なるものなのです。
間欠的持久力を高めるトレーニング方法 – HIIT(タバタプロトコル)
高強度インターバルトレーニング(HIIT)とは – タバタプロトコル
間欠的持久力をつけるためには、一般的に高強度インターバルトレーニング(HIIT)と呼ばれるトレーニングをすることでつけることが出来ます。代表的なHITTとしては、20秒間の高強度運動(全力で行い、息がぜーぜーいう程度)に続けて、10秒の休憩をとることを1セットとして、これを8回繰り返すトレーニングで、立命館大学の田畑泉先生によって考案された「タバタプロトコル」です。高強度運動+休憩を繰り返すことによって、約4分で効果的なトレーニング効果を得ることができると言われています。
間欠的持久力による競技力向上
このように、連続的に高強度運動を続けるためには、間欠的持久力が必要。間欠的な持久力を得ることで、連続的にダッシュできるようになり、相手に競り勝てるようになります。





