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カラダを動かす「立役者」:筋肉の力を動きに変える「関節」と、力を伝える「腱」が、「理想の動き」を支える!
1.筋肉の力を動きに変える「関節」と、力を伝える「腱」
皆さんは、自分のカラダがどのように動いているかご存知でしょうか?私たちのカラダの動きに、筋肉が関わっていることは、イメージできると思います。
しかし、筋肉だけでは、私たちのカラダは動かすことができないのです。筋肉で作られた力が「腱」を通じて骨に伝わり、その力が「関節」により動きに変換されて、初めて私たちはカラダを「動かせる」のです。ここでは、「関節」や「腱」が、どのようなものなのか、くわしく見てみたいと思います。
骨と骨をつなぐ部位が「関節」、筋肉と骨をつなぐ部位が「腱」と呼ばれます(図1)。
図1
関節は、骨と骨のつなぎ目を指します。関節を中心に骨が動くことで、歩く、しゃがむ、物をつかむなどの動きが起こります。そのため、滑らかに動くためには、関節がスムーズに動く必要があります。そのため骨の先端は、クッションの役割をする軟骨で覆われています。軟骨は、コラーゲンが網目状に折り重なった構造をしており、その中にヒアルロン酸や水を蓄えることで、クッション性と、滑らかな表面を実現しています。そのおかげで、関節はスムーズに動くことができるのです。
一方、腱は、筋肉と骨のつなぎ目を指します(図1)。腱は、筋肉が骨を引っ張る力に耐えられるように、強靭な性質を持つコラーゲンといわれる線維状のタンパク質が束になり、均一に整列した構造をしています。代表的な腱の名前として、ふくらはぎの下部にあるアキレス腱がありますが、実は筋肉の多くは、腱によって、骨とつながっています。そのため、全身には多くの腱が存在しているのです。
関節や腱は、筋肉の力を骨に伝え、力を動きに変えることで、複雑な動きを可能にしている「立役者」なのです。
2.運動との関係は?「理想の動き」を実現するために重要な関節と腱
カラダを動かすのになくてはならない関節や腱は、スポーツのパフォーマンス発揮のためにも、とても重要です。
「アスリートは、体が柔らかくしなやか」と言われています。実際、柔軟性は、競技パフォーマンスの向上に限らず、ケガ予防において欠かせない要素です。柔軟性とは、関節の動く範囲(可動域)の程度を示しますが、柔軟性が高いことは、筋肉や腱が伸びやすいこと、筋肉がダイナミックに関節を動かせることを指します。関節の可動域が十分にあれば、より遠くのものに手が届いたり、大きな動作をすることが可能になり、競技パフォーマンスの向上にもつながります(図2)。ただ、関節が緩く、関節可動域が広すぎることは、ケガの発生にもつながるため、適切な関節可動域を維持することが重要です。
図2
また、関節の可動域を超えた動きをするとケガをしてしまいます。しかし、可動域が十分に広ければ、可動域の範囲で動けるので、ケガを防ぐことなどにつながります。また、年齢を重ねることで、関節の可動域が狭くなると、転倒やケガにつながるとされています。
図3
腱の機能は、あまり意識されていないかもしれませんが、運動パフォーマンスに重要な役割を果たしています。腱は、弾性、つまり、バネのように伸び縮みする性質を持っています。そのバネの伸び縮みする力を活用し、より効果的に力を生んでいます。例えば、代表的な腱である、アキレス腱を例にとって見てみましょう。アキレス腱は、着地した時に引き伸ばされ、そして、バネの様に、元に戻ろうとします。バネとしてのアキレス腱の性質を使うことで、より少ない力で走ることができるようになります(図4)。
さらに、腱の硬さ(科学的には、スティフネスという)があるほど、跳躍力が高いといわれています(図5)。このように腱は、運動時の強い力を骨に伝えたり、伸び縮みしたりすることで、運動パフォーマンスに影響を及ぼします。また、年齢を重ねることで、腱が伸びにくくなり、バランス力の低下にも関連すること1)、また、腱がもろくなることも知られています2),3)。
1)G. Onambele et.al. J Appl Physiol 100: 2048–2056, 2006.
2) S. Arya, et. al. J Appl Physiol 108: 670-675, 2010.
3) 川上泰雄 臨床スポーツ医学:37: 590-599, 2020.
図4
図5
このように、関節や、腱は、筋肉で作られた力を運動パフォーマンスに発揮するために、必要不可欠な性質を有しているのです。
3.運動時の負荷が蓄積すると、関節・腱が悲鳴を上げる!?関節・腱の状態を良好に保つことが大切!
関節・腱が、運動パフォーマンスに重要な役割を果たすことを紹介しました。しかし、そのような重要な部位だからこそ、運動時には、関節・腱に、大きな負荷がかかります。その負荷が大きくなると、関節や腱に、違和感や痛みが起こってしまうことがあります。詳しく見てみましょう。
運動時に体にかかる負荷の一つとして、地面に着地した時の衝撃があげられます。ゆっくりとした歩行時には、体重より少し重いぐらいの衝撃がかかると言われていますが、ランニングの着地時には、体重の1.5~5倍、さらに、ジャンプの着地時には、体重の10~12倍程度の衝撃が脚にかかると言われています4)。また、腱は、運動時に引き伸ばされることでも負荷がかかります。例えば、ランニング中にアキレス腱に加わる力は1 トンに達すると言われています5),6)。
また、腱は、それ以外にも、例えば、野球やハンドボールなどで見られる「投げる」という動きや、ゴルフやテニスなどで見られる「ひねる」動きの際に、腱が周囲の組織とこすれ、腱にストレスが生じる場合もあります。
図6
このように運動時には、関節や腱に大きな負荷がかかるため、十分な時間を空けずに、次の運動をした場合などは、最悪の場合には、オーバーユース(使いすぎ)という、慢性的な不具合につながることがあります4)。
例えば、アキレス腱炎や、足底腱膜炎、膝蓋軟骨軟化症といった症状は、特にランナーなどによくみられる関節・腱の症状で、ランナーの70%もの人が陥るという調査もあります4)。
このように、関節や腱にかかる負荷の結果、最初は違和感程度の変化ですが、そのうち痛みを生じたり、思うように動かせなくなったりしてしまい、パフォーマンス低下や故障につながってしまうのです。例えば、関節の軟骨は、通常、表面がつるつるしているため、滑らかに関節が動き、スムーズに運動することができます(図7)。一方、関節軟骨に負荷が蓄積すると、関節の表面がザラザラになり、滑らかな動きができなくなってしまいます(図8)。
図7
図8
一方、腱についても、十分な間隔を開けずに運動が続いた場合、腱の周辺が炎症を起こし、痛みや不具合につながってしまいます。アキレス腱は、とても強い組織なので、実験的に通常の運動の範囲を超えた負荷をかけても、損傷は起こらない6),7)のですが、疲労や、アキレス腱のコンディショニング不足などによって、障害につながります6),8)。障害が起こると、その際に起こる炎症に伴い、腱の構造の均一性が失われ、腱の硬さも低下してしまうことが起こります。このように、運動の負荷が蓄積することで、腱の機能低下につながってしまうのです。
図9
図10
このように、関節・腱は、運動によって負荷を受け、日々のトレーニングによって、その負荷が蓄積されますが、適度に運動の間隔を空けて、休息を取れば、痛みなどにはつながりません4)。しかし、運動選手は、競技パフォーマンス向上を目指し、運動の負荷から十分に回復しないうちに、次のトレーニングに取り組んでしまうことがよくあると思います。
この状態で無理を続けると、故障につながってしまいます。故障をしてしまうと、治療のためにトレーニングができなくなるだけでなく、治療後もリハビリのために、本格的なトレーニングを再開するまでには長い時間がかかってしまいます。直った後も、故障の再発リスクもあります。そのため、関節や腱の異変を自覚する前から日々のケアを行うことがパフォーマンス発揮のためにも、故障のリスク低下のためにも大切なのです。
さらに、年を重ねるにつれ、関節では、軟骨が擦り減り、また、腱の性状が変化し、故障のリスクが高まってしまうため1)、年齢に応じて、より一層のケアが必要となります。
以上のように、関節や腱を良好状態に維持することは、運動を行う上で非常に大切なポイントになるのです。
4) A. Hreljac et.al. Med. Sci. Sports Exerc., Vol. 36, No. 5, pp. 845–849, 2004.
5)P.V. Komi et. al. Clin Sports Med 11: 521-531, 1992
6)川上泰雄 臨床スポーツ医学:37: 590-599, 2020.
7)T.F. Huang et. al. Ann Biomed Eng 32: 336-341, 2004
8) H. Langevin et. al.: Imaging: Ultrasound. Fascia: The Tensional Network of the Human Body, Schleip R, et al, eds, Elsevier Health Sciences imprint Churchill Livingstone, London, 483-487, 2012
4.まとめ
私たちのカラダを動かすために重要な「関節」「腱」には、以下のような特徴を知っておくことが大切です。
- ・「関節」は、骨と骨をつなぎ、「腱」は、筋肉と骨をつなぐ。
- ・筋肉で生じた力は、腱によって骨に伝えられ、骨は関節を軸に回転することで、カラダは動く。
- ・関節の軟骨や腱は、コラーゲンというタンパク質を主成分としてできている。
- ・運動パフォーマンスの発揮(理想の動き)には、「関節」「腱」を良好に保つことが大事。
- ・運動時にかかる負荷の増加や、運動頻度の増加、コンディショニング不足により「関節」「腱」に不具合が発生する。
- ・「関節」「腱」が故障してしまうと、長期間の安静や、リハビリが必要になる。
- ・「関節」「腱」の故障に至らないように、日ごろからのケアが重要。
関節・腱は、「理想の動き」を発揮するのに、とても重要な部位ですが、その分負荷がかかり、蓄積しやすくもあります。そのために日々のケアがとても重要になるのです。
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「関節・腱コンディショニング向け6種アミノ酸ミックス」は、関節・腱のコンディションを保ち、「理想の動き」を支える!
<監修者>川上泰雄(かわかみ やすお)
早稲田大学 スポーツ科学学術院 スポーツ科学部 教授。
学士(1981)、教育学修士(1983)、博士(教育学)(1995)(東京大学)。
東京大学助手・助教授、早稲田大学スポーツ科学部助教授を経て、2005年より現職。
人間の身体の形態と機能について、生体計測を中心とした研究を進めている。特に、骨格筋・腱組織の運動時のふるまいやトレーニング効果、成長・加齢変化等に関して、動作解析・組織画像解析・生体信号解析の手法を用いたアプローチを行っている。また、スポーツパフォーマンスの規定因子や向上方法について運動生理学(体力特性)およびバイオメカニクス(技術や道具の特性)の観点から研究している。学内外の研究者とともに、スポーツ選手の競技力向上のための科学的サポートと研究成果の一般社会への応用を目指したコンソーシアムであるヒューマンパフォーマンス研究所を主宰している。https://www.waseda.jp/inst/ori/other/2017/05/30/551/