[論文紹介]ロイシン高配合必須アミノ酸は若年男性において筋タンパク質合成非依存的に運動後の筋損傷からの回復を改善する

ロイシン高配合必須アミノ酸ミックスの知見!運動による筋ダメージを抑えて筋力低下からの早期回復を解明⁉
 
Nutrients. 2020 Apr 11;12(4):1061. doi: 10.3390/nu12041061.

Leucine-Enriched Essential Amino Acids Improve Recovery from Post-Exercise Muscle Damage Independent of Increases in Integrated Myofibrillar Protein Synthesis in Young Men

[背景]
ロイシン高配合必須アミノ酸(LEAA)は、筋肉の修復と回復に重要である運動後の筋線維のタンパク質合成を速やかに高める。しかしながら、一般人においてLEAAが筋繊維のタンパク質合成および筋損傷からの回復を同時に高めるという研究は行われていない。

方法:無作為化二重盲検プラセボ対照並行群間により、余暇運動レベルの男性20人に、統一された食事(たんぱく質1.2 g /kg/日)の提供下において、下肢のレジスタンス運動を実施し、4gのLEAAまたは等カロリーのプラセボ食品を1日3回、4日間摂取した。安静時および回復期の96時間にわたり、重水を用いて筋繊維のタンパク質合成を測定した。

アイソメトリック(等尺性筋収縮)およびアイソキネティック(等速性筋収縮)のトルク、筋肉痛、Z線配列、筋肉ヒートショックプロテイン(HSP25およびHSP72)、血漿中クレアチンキナーゼ(CK)および血漿中インターロイキン-6(IL-6)を96時間にわたり測定し、筋損傷の直接的および間接的なマーカーとして評価した。

[結果]
運動負荷後96時間にわたる筋繊維のタンパク質合成は約72%増加したが(p<0.05)、群間に差は見られなかった(p = 0.98)。アイソメトリック、アイソキネティックおよび総ピークトルクは運動負荷48時間後に約21%減少したが(p<0.05)、総ピークトルクはプラセボ群と比較してLEAA群において回復期を通じて約10%高値であった(p<0.05)。

これらはLEAAによるピークトルクの改善効果は、中等度から重度であった。回復期に増加した筋肉痛には群間の統計的な差はなかったが、ピークトルクの変化と同様にLEAAによる筋痛の改善効果は、軽度から中等度の効果であった。

血漿中CK、血漿中IL-6および筋肉HSP25は、運動負荷後に増加したが(p<0.05)、群間の有意な差はなかった(p≧0.13)。LEAAによって運動によって起こるZ線配列の乱れは、軽減傾向(p = 0.07)を示し、それとともに、プラセボ群と比較してLEAA群の回復期の筋肉HSP72発現は低値であった(p<0.05)。一方、筋繊維のタンパク質合成と筋肉損傷の項目との間に相関関係は見られなかった(p≧0.37)。

[結論]
今回の研究結果は、余暇運動レベルの男性において、レジスタンス運動負荷後の期間を通じて、LEAAが筋繊維のタンパク質合成を促進させずに、中等度に筋肉損傷を減弱させたことを示唆している。

ロイシン高配合必須アミノ酸ミックスの知見!運動による筋ダメージを抑えて筋力低下からの早期回復を解明⁉[論文紹介]ロイシン高配合必須アミノ酸は若年男性において筋タンパク質合成非依存的に運動後の筋損傷からの回復を改善する

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原著:https://www.mdpi.com/2072-6643/12/4/1061

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