グリシン摂取で良い睡眠をとり、運動パフォーマンスアップ

2023年のワールドベースボールクラシックで、主力選手が睡眠を理由にチームメイトからの食事の誘いを断ったという話が話題になりました。このニュースから、“一流選手にとって眠ることってそんなに重要なんだ”と驚いた人もいると思いますが、具体的に睡眠が運動パフォーマンスに与える影響を知っている人は少ないのではないでしょうか。

ここでは運動パフォーマンスに与える睡眠の影響を紹介し、後半では睡眠に良い影響を与えるアミノ酸に関して紹介します。

良く寝る選手はシュートが入る?

アメリカのスタンフォード大学にて、睡眠時間を増やすだけでパフォーマンスが上がったという研究があります。その方法は“40日間、毎日10時間ベッドに入ってもらう”というものです。強制的に10時間ベッドに入ることによって選手の1日の睡眠時間は2時間弱増加しました。その結果、全力ダッシュ(バスケコート1往復半)のタイムが短縮し、フリースローと3ポイントの成功率があがりました。つまり睡眠時間を増やすだけで運動パフォーマンスが上昇したのです(Sleep. 2011 Jul 1; 34(7): 943–950.)。

カラダの回復には深睡眠をとることがカギ!

睡眠は浅い睡眠と深い睡眠の2種類があります。浅睡眠では脳は動いており記憶の定着などがおこなわれます。一方で深睡眠では脳も休息しており、この時に脳やカラダの疲労回復がおこなわれます。つまり、深睡眠をしっかりとることが重要になってきます。

より早く深睡眠に到達するためのアミノ酸“グリシン”

早くベッドに入っても、なかなか寝付けず、翌朝もすっきりしない。そのようなときはアミノ酸のひとつ、グリシンがおススメです。グリシンは、睡眠に問題を感じている人の深睡眠への到達時間を早めます(Yamadera W et. Al., Sleep and Biological Rhythms 5(2), 126-131,2007)。

グリシンは睡眠不足での反応速度低下を軽減

良い睡眠がとれていないと、物事への反応速度が遅くなります。だから大切な試合の前日は特に十分な睡眠が重要です。もし、しっかりと睡眠がとれない不安があるならばグリシンの摂取をおススメします。なぜならばグリシンは十分な睡眠時間がとれていない状態での反応速度低下を軽減してくれるからです。

下の図はグリシンまたはプラセボを飲み、睡眠時間を25%カット、良い睡眠がとれていない翌日の反応速度を調べた結果です。グリシンを摂取しているグループは摂取していないグループよりも反応速度が速いことがわかりました。(Bannai et al., Frontiers in neurology, 18 April 2012.)。

【まとめ】

①睡眠は運動パフォーマンスを上げる。
②脳やカラダの回復には深睡眠が重要。
③グリシンはすみやかに深睡眠をもたらす。
④グリシンは睡眠不足のときの反応速度低下を軽減する。

以上のことから、すっきりとした状態で大切な試合や練習に臨みたい方は、より早く深睡眠が得られるグリシンを前日に摂取することをおススメします。

関連記事関連記事