水泳
SPORTS
水泳に必要な能力とアミノ酸の機能
陸上での運動と比較して水泳はエネルギー消費量が多く、種目に応じた距離を全速力で何度も泳ぎ切る持久力が必要になります。カラダ全体のだるさや、筋肉を減らさないことも重要です。
ここでは水泳選手に求められる能力を解説し、それをサポートするアミノ酸の機能を紹介していきます。
エネルギー切れを起こさないためには糖質補給が重要
水泳は陸上での運動と比較して消費カロリーが高いといわれています。そのためにエネルギー源となる糖質の補給が十分でないとカラダは筋肉を分解してエネルギーを得ようとします。だからこそ水泳では糖質の補給が重要になります。
アミノ酸の“アラニン”と“プロリン”には糖質のエネルギーを効率的に体内に蓄える働きがあり、持久力の維持に役立ちます。
本番で勝ち抜く泳ぎをするためには全力で泳ぎ切る持久力が必要
有効な練習法に高強度インターバルトレーニング(間欠的運動とも言います)があります。このトレーニングでは短時間にフルパワーで泳ぎ切るための間欠的持久力をつけることができます。この持久力のポイントは生じた老廃物をいかに早く代謝するかがポイントになってきます。
“アスパラギン酸”はこの老廃物の代謝を早め、フルパワーで泳ぎ切る能力を高めることができます。
筋肉が分解されないように練習前にアミノ酸を摂取!
水泳は消費エネルギー量が多いので、しっかり糖質を補給しても、長時間の練習では、体内の糖質が不足し、糖質の代わりに筋肉が分解されてエネルギーとして使われます。筋肉の分解を防ぐためには同時に筋肉合成のスイッチを入れる必要があります。
特に筋肉合成のシグナルとなる”ロイシン”を多く含む“必須アミノ酸”は筋肉の分解を抑制します。
ハードな運動は腸のバリア機能低下をおこし、全身の疲労につながる
運動中は血液が筋肉に優先的に送られ、内臓(腸)への血流が低下し、腸はダメージを受けてしまいます。その結果、全身で炎症反応が起こり、カラダ全体のだるさにつながります。水泳は運動強度の高い全身運動なので、腸の状態にも気を付ける必要があります。
アミノ酸の“シスチン”と“グルタミン”は腸のバリア機能を維持することによって、カラダ全体の炎症を防ぐ機能があります。
トップレベルのスイマーを支えてきたNSCA認定のトレーナーと栄養士が対談
競泳日本代表選手などの指導もおこなってこられた土黒秀則さんと、水泳選手の海外合宿や試合に帯同してきた宮本和代さんとのインタビュー。
強豪大学水泳部のトレーニングコーチである沼田幹雄さんと、味の素(株)のトップアスリートの栄養サポート活動「ビクトリープロジェクト®」に関わってきた管理栄養士の鈴木晴香さんとのインタビュー。
まとめ
水泳選手に求められる能力 | アミノ酸の機能 |
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水泳は消費カロリーが高いので、エネルギー源となる糖質補給が重要。 | “アラニン”、“プロリン”は糖質のエネルギーを効率的に体内に蓄える働きがあり、持久力の維持に役立つ。 |
フルパワーで何度も泳ぎ切るには間欠的持久力が必要。 | “アスパラギン酸”は間欠的持久力を高めることができる。 |
水泳のような強度の高い全身運動では内臓への血流が低下、腸がダメージを受け、カラダ全体の倦怠感に繋がる。 | “シスチン”と”グルタミン”は腸のバリア機能を維持することによって、カラダ全体の炎症を防ぐ。 |
長時間の練習で糖質が減ってくると、エネルギー源として筋肉が分解されてしまう。 | “ロイシン”を多く含む必須アミノ酸が筋肉の分解を防ぐ。 |
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